実施報告:北大道新アカデミー2024後期理系コース
第4回「デジタルで世界を視るということは何か?」2024.9.28(土)
池辺将之教授(量子集積エレクトロニクス研究センター)
理系コース第4回目は、量子集積エレクトロニクス研究センターの池辺将之教授から、アナログとデジタルの違いのカメラ技術や、画像処理、半導体の基礎まで幅広い内容の講義が展開されました。
池辺教授の講義では、アナログが連続的なデータを扱う一方で、デジタルは時空間の分断を前提とする点であると説明がありました。また、高級カメラとスマホカメラの違いを解説し、スマホカメラが画像処理技術で高級カメラのような効果を生み出す工夫についての話もありました。
最後に、イメージセンサーの仕組みやAI技術を用いた深度情報の取得と画像補完についても詳しい紹介があり、とても内容の濃い講義となっていました。
第3回「社会と調和する人工知能」2024.9.21(土)
横山想一郎助教(情報科学研究院)
理系コース第3回目は、大学院情報科学研究院の横山想一郎助教から、AI技術を用いた意思決定支援の研究について講義が行われました。
横山助教は幼少期にコンピューターに魅了され、情報学の道を志したと語ります。所属する「調和系工学研究室」では、多様な価値観を持つ人々が集団として意思決定を行う際に、AIを利用して選択肢の利点やリスクを伝える技術を研究しています。
具体的な事例として、競輪の車券購入支援や、俳句を自動生成する「AI一茶くん」が紹介されました。さらに、帝国議会の議事録を解析するプロジェクトも行っています。近年、ChatGPTのような生成AIの進歩により、AIは複雑な問題に対応できるようになりました。しかしながら、意思決定の最終責任は人間にあり、AIはその支援ツールとして活用されるべきだと締めくくられました。