活動報告

情報科学研究院 ジェプカ ラファウ先生
北大道新アカデミー2024後期理系 第2回

  • 北大道新アカデミー2024年度後期 理系コース
  • 2024年9月14日(土)開催
  • 「人工知能とことばの理解」
  • 情報科学研究院 ジェプカ ラファウ(Rzepka Rafal) 准教授

AIの進化と自然言語処理の影響

 今回の講義では、現代のAIが言語を扱う能力を中心に、過去からの進歩と今後の可能性について詳しく語られました。特に、AIの自然言語処理(NLP)の進化は、私たちの生活や仕事に大きな影響を与えています。かつては手作業で行っていた情報検索や翻訳作業が、今ではAIによって瞬時に処理できるようになりました。
 講義の中で紹介されたジェプカ先生の研究内容の一例では、AIが安全保障関連の法的質問に対して誤った回答を返したケースがありました。日本の安全保障に関する質問をChatGPTに投げかけたところ、AIは非常に流暢かつ説得力のある回答を返しましたが、その内容を専門家が精査すると、実際に引用された法律や規則は日本には存在しないものであったことがわかりました。

AIの限界と課題への対応

 この事例からもわかるように、ChatGPTのようなAIはインターネット上の膨大なデータをもとに学習していますが、そのデータにはバイアスや誤情報が含まれている可能性が高いです。特に法律に関しては、国や地域ごとの微妙な違いがあるため、AIがその違いを正確に理解できていないケースもあります。このような誤認は、安全保障分野だけでなく、他の専門分野でも大きな問題となり得ます。
 現在のAIは人間の言葉を理解しているように見えます。AIにいいコードを見せるといい回答をします。ですが、中身はわからないです。今回の講義では、自然言語処理の進化、問題点、問題の解決への提案を紹介しました。納得のいく意味の定義とは何か、機械における望ましい理解とは何かを、本日の宿題にしたいと思います。



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