活動報告

11月25日開講 北大道新アカデミー後期講座
文系・理系コース 第8回開催

今年度後期の北大道新アカデミーが開講しました。同アカデミーは、学外の社会人を主な対象としたリカレント教育プログラムで、文系コースと理系コースに分かれ、それぞれ8回の講義で構成されています。
実施記事は北大のウェブサイト「リサーチタイムズ」にも掲載しています。

【2023年度後期文系コース】
・第8回「日本の人権保障の特徴」
・法学研究科 教授 佐々木雅寿 先生

2023年11月25日、今年度後期最後の北大道新アカデミーが開かれました。文系コースの講師は、佐々木雅寿さんです。カナダ憲法を専門にしている佐々木さんは、人権保障が進んでいる国と比較しながら、グローバルな観点と歴史的変遷を交えながら、日本の人権保障の特徴について講義しました。 これまでは人権に関して、憲法学者と最高裁との意見が対立することが多かったものの、2000年代から最高裁の考え方が少し変化してきているといいます。佐々木さんは、双方による対話的違憲審査や、その後の法律の改正も進めていくことが重要だと指摘しました。 受講者からは「人権について基本的な講義を初めて聞き、目からウロコでした。違憲判決の後の国会の動きに注目していきます」「レジュメの内容が濃かった」「講義レジメ、今後の自己学習の拠り所にしたいと思います」といった感想が寄せられました。

【2023年度後期理系コース】
・第8回「エキノコックスという寄生虫〜その生態と北海道での歴史、そして彼らとのつきあい方」
・獣医学研究院 教授 野中成晃 先生

後期の理系コース第8回目は、寄生虫学、エキノコックスを専門にする野中成晃さんが担当しました。エキノコックスはもともと北海道にはおらず、複数回にわたって異なる系統のエキノコックスが北海道に入ってきた、といった基本的なお話がまずありました。そして、徐々に患者数が増加し続けていること、10~20年かけてゆっくり成長するため発症がおそいこと、そのためどこで感染したかわからないといった難しさが説明されました。最後に、そのような状況における感染防止のための基本対策についてお話ししました。 受講者の中にはキツネが身近にいる方も多く、関心は非常に高かったようです。「キツネからうつる”エキノコックス”について改めて学ぶことばかりで大変勉強になりました。北海道は自然が豊かで貴重な動物が生存していますが、感染症対策も含め、ヒトとどう共存していくべきか考えるよい機会になりました」「とても分かりやすい説明、資料でした。さらに2、3時間は聞きたい講義でした」といった感想が寄せられました。

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