10月14日開講 北大道新アカデミー後期講座
文系・理系コース 第4回開催
今年度後期の北大道新アカデミーが開講しました。同アカデミーは、学外の社会人を主な対象としたリカレント教育プログラムで、文系コースと理系コースに分かれ、それぞれ8回の講義で構成されています。
実施記事は北大のウェブサイト「リサーチタイムズ」にも掲載しています。
【2023年度後期文系コース】
・第4回「グローバリゼーションとフランス社会」
・法学研究科 教授 中村 督先生
後期の文系コース第4回目は、ヨーロッパ政治史を専門に研究する中村督さんが担当しました。この講義では、グローバリゼーションの進展とそれに伴うフランス社会の問題や変容に焦点を当て、歴史的背景を踏まえながら考察を行いました。フランスにおける抗議運動やデモの特徴、1960年代から1970年代の歴史から理解を深めました。「68年5月(五月革命)」の学生運動や労働運動とその後の影響を考察し、グローバリゼーションと個人の権利保護、共同体の関係についても解説しました。 受講者からは、「フランス社会のことが分かりました。特に5月革命の前と後の違いが分かりやすく説明されたので、フランスという国に対する認識が改まりました」、「フランスの社会状況からのグローバリゼーションというものが「68年5月」の例をもとにして、かなり分かりました」、「共同体について各国の様子がこれからどうなっていくのかを見ていく視座ができたと思います。とても面白かったです」といった多数の感想が寄せられました。
【2023年度後期理系コース】
・第4回「人と動物の比較腫瘍学:がんを比べてわかること」
・獣医学研究院 講師 青島圭佑先生
後期の理系コース第4回目は、獣医病理学・比較腫瘍学を専門に研究する青島さんが担当しました。この講義では、人や犬,象やクジラなどさまざまな動物のがんに関わる共通点と相違点を学びました。また、具体的な研究例として、青島さんが北大公式第1号クラウドファンディングで研究費を募った「血管肉腫」について解説し、従来の方法から進化したシングルセル遺伝子発現解析を用いた研究経過についても説明がありました。今後、犬での研究成果が人や他の動物の治療法にも応用されることが期待されています。受講者からは、「人も動物もがんになることや人と犬には共通するがんが多くあることを知り、改めて人と動物の医学には境界線が無いことを学ぶことができ、大変勉強になりありがとうございました」、「がんのなりにくさの秘密を研究し、人の治療に役立てて欲しいです。血管肉腫の研究で、がん細胞がさらに解明されて欲しいです」といった多数の感想が寄せられました。