「経済財政運営と改革の基本方針 2026」「日本成長戦略」の閣議決定とリ・スキリング【リカレントニュースダイジェスト vol.11】
政府は7月に「経済財政運営と改革の基本方針 2026」「日本成長戦略」を閣議決定しました。これら2つの行政文書は、地方創生や経済成長、社会課題解決を目的としたリ・スキリングの推進を掲げています。
経済財政運営と改革の基本方針 2026」の閣議決定とリ・スキリング
政府は2026年7月21日、政府の経済財政政策の基本方針を示す「経済財政運営と改革の基本方針 2026」いわゆる「骨太の方針」を閣議決定しました。「17の戦略分野」を促進するための高度人材育成や、アドバンスト・エッセンシャルワーカーの育成を目標に、産学官が連携し、必要なスキルや処遇の明確化、プログラム開発などを通じて、リ・スキリングの機会を拡充するとしています。
「17の戦略分野」は、政府が「イノベーションを通じた経済成長や国際的地位の確保」を目的に定めた国内投資先を指します。(1)AI・半導体、(2)デジタル・サイバーセキュリティ、(3)情報通信、(4)量子、(5)防衛産業、(6)航空・宇宙、(7)海洋、(8)造船、(9)マテリアル(重要鉱物・部素材)、(10)合成生物学・バイオ、(11)創薬・先端医療、(12)資源・エネルギー安全保障・GX、(13)フュージョンエネルギー、(14)防災・国土強靱化、(15)港湾ロジスティクス、(16)フードテック、(17)コンテンツの全17領域です。アドバンスト・エッセンシャルワーカーとは、デジタル技術等も活用し生産性を大幅に高めて、現在よりも高い賃金を得るエッセンシャルワーカーのことです。エッセンシャルワーカーは、医療・介護・福祉、運輸・物流など、人びとの生活に必要不可欠な職業に従事する労働者を指します。
「日本成長戦略」の閣議決定とリ・スキリング
政府は2026年7月21日、「日本成長戦略」を閣議決定しました。本戦略は、2025年11月に高市内閣の下に発足した日本成長戦略会議がまとめています。「関係省庁で連携し、教育機関が産業界とも協働しつつ「イノベーション」を興すことのできる人材や「現場」を支える人材を戦略的に育成する取組を強力に推進する」ために「大学・専門学校等におけるリ・スキリング人口を、2030年までに、合わせて1年当たり60万人」と約5.3倍に増やすこと、社会人向け教育プログラムの開発や全学的な体制整備・収益化推進等に取り組む大学等への重点的な支援、社会人の奨学金活用、スキル・学習歴のデジタル化、リ・スキリングを促進するための教育訓練休暇給付金制度の活用、全国的なリ・スキリングの機運醸成などを目的とした「全世代型リ・スキリング国民運動」の展開などが、掲げられています。
「大学・専門学校等におけるリ・スキリング人口」とは、大学等におけるリ・スキリングプログラム等の受講者数と専門学校における22歳以上の入学者数を合計したものを指します。
政府が、リ・スキリングを通じて、経済や産業の成長、イノベーションを目的にした人材育成を進めていくことが明確に示されました。これらの方針の提示は、大学におけるリカレント教育のあり方にも大きな影響を与えると思われます。
参考
経済財政運営と改革の基本方針2026「責任ある積極財政」元年 ~日本の挑戦を起動する!~(令和8年7月21日閣議決定)
日本成長戦略(令和8年7月21日閣議決定)