リカレント教育に関する政府等方針公開【リカレント・ニュースダイジェスト vol.1】

【リカレント・ニュースダイジェスト】はリカレント教育に関連する最新動向のレビューです。
政府は6月に「統合イノベーション戦略 2025」「経済財政運営と改革の基本方針 2025」を閣議決定しました。地方創生や経済成長、社会課題解決を目的としたリカレント教育の必要性が示されています。
*「統合イノベーション戦略 2025」が閣議決定しました
政府は2025年6月6日、科学技術・イノベーション政策の実行計画に相当する「統合イノベーション戦略2025」を閣議決定しました。本戦略にはリカレント教育について言及があり「個人の学び直しが適切に評価されるよう、学修歴や必要とされる能力・学びの可視化、企業における学び直しの評価・処遇への反映を推進するとともに、産学官連携プラットフォームや産学協働体制による地方創生や経済成長に資するリカレント教育モデルの構築等の取組を加速する」(18ページ)としています
*「経済財政運営と改革の基本方針 2025」が閣議決定しました
政府は2025年6月13日、政府の経済財政政策の基本方針を示す「経済財政運営と改革の基本方針 2025」いわゆる「骨太の方針」を閣議決定しました。マクロ経済運営の基本的考え方(1章)のひとつに「人中心の国づくり」を掲げ、リ・スキリングを行う人に対する支援の充実を謳います。具体的には、AIを含むデジタルスキルに関する教育訓練給付金対象講座の拡大、オンラインでの職業訓練の充実、産学協同のリ・スキリングプログラムの提供拠点・プログラムの拡充のほか、「誰一人取り残されない社会」の実現を目指し、就職氷河期世代や地方在住の女性向けのリ・スキリング支援強化の他に、多様な主体が連携し地域社会の課題解決に取り組むためのプラットフォームの構築、包括的な支援体制の整備の推進を挙げています。
*「第9期北海道総合開発計画」にも注目
「第9期北海道総合開発計画」(2024年3月)は、北海道の価値を高め、地域が直面する課題解決を図るために「リ・スキリング(学び直し)等により社会の変化に適応する能力を高め、果敢に挑戦する人材を育成」し、分野を越えた「共創」の取り組みを進めることを定めています。また、食・観光・ゼロカーボン北海道の発展、デジタル産業の促進、アイヌの人々の誇りが尊重される社会の実現を挙げています。
リカレント教育推進部は、これらの政府の方針を展望しつつ、北海道大学の理念を踏まえたリカレント教育プログラムの実施を進めていきます。